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第41話  

「君の体が鑑賞する価値があるかどうかは、俺がわかればいい」

 松山昌平は熱い視線で篠田初を見つめ、彼自身が気づかないうちに、欲望が込められた口調で言った。「松山昌平の妻として、自分の立場を忘れないで。端正で品位があることが基本だ。そんな風に着飾るのは、異性の気を引いて、礼儀を欠いている!」

 先ほどの男性たちの目がまっすぐに注がれていたのを思い出し、彼は腹立たしくなり、彼らの目玉を引き抜いてやりたい気持ちすら湧いてきた。

 「着なさい!」

 松山昌平は自分のコートを脱ぎ、強引に篠田初を包み込んだ。

 「オッサン臭いわ!」

 篠田初は笑いながら、挑発的な眼差しを向けた。「昌平さん、考え方が古臭いよ!私の体は私が決めることよ。異性の気を引きたいかどうか、あなたには関係ないでしょう」

 そう言って、彼女は松山昌平のコートを脱ぎ、指にかけながら一言ずつ確かめるように言った。「あなたの好意は、私は必要ないわ」

 言い終わると、松山昌平の黒いコートが地面に落ちた。

 篠田初は傲慢な孔雀のように、あごを高く上げ、自信満々に、妖艶な歩き方でその場を去っていった。

 「......」

 松山昌平は彼女の優雅で艶やかな背中を見つめ、顔を曇らせた。

 彼は怒りを感じつつも、自分が彼女に干渉する資格がないことに気づいた。

 司会者がシャンパングラスを軽く叩き、慈善晩餐会が正式に始まった。

 毎年恒例のこの宴会には、海都の権力者たちが集まった。

 松山昌平、篠田初、白川景雄らは、第一列に座っていた。

 第二列には、柳巧美、伊達明史、そして小林柔子たちが座っており、ちょうど松山昌平たちの後ろに位置していた。

 「見てごらん、柔子姉さん、篠田初って本当に卑しい女だよね。いつも男を誘惑することばかり考えてる!」

 柳巧美は篠田初のセクシーな背中を見つめながら、歯を食いしばって小林柔子に言った。

 「巧美ちゃん、静かにしなさい。他の人に聞かれるわよ」

 小林柔子が注意した。

 「聞かれたって構わないわ。私が言ってることが事実じゃない?」

 柳巧美は嫉妬で狂いそうになりながら、言葉での攻撃を続けた。「なぜだよ?右には私の兄、左には景雄さん。その軽はずみな姿を見てみて、まさに下衆がよい地位についているようだ」

 「はは!」

 小林柔子や一緒に座っている貴婦
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